マンドローネ

 マンドリン合奏においてマンドリン属の最低音域を担当する楽器。マンドリンオーケストラでマンドローネはマンドロンチェロよりはっきりした低音を奏する事が出来、音量も大きい。

マンドリンオーケストラの最低音部はコントラバスが担うことが大半だが、コントラバスは擦弦楽器であり、撥弦楽器であるマンドリン属の音と異質であるとして、その間を埋めるため、また音の立ち上がりをカバーする目的でマンドローネが用いられることもある。しかし、マンドローネを所有しているマンドリンオーケストラは少なく、不完全・不必要な楽器と呼ばれることもある。マンドローネの確立したメソッドや指導書も見あたらない。

高調マンドローネと低調マンドローネ

マンドローネには大別して「高調マンドローネ」と「低調マンドローネ」の2タイプがある。

《高調》マンドローネの調弦は

            複弦の(-4~A -3~D -2~G -1~C)

《低調》マンドローネの調弦は

            単弦の(-4~E  -3~A -2~D -1~G)

          =コントラバスと同じ

 現在広く使われているのは「高調マンドローネ」というもので、その調弦はマンドロンチェロより3度低いA-D-G-Cであり、弦は複弦4コース8本、4度ごとの調弦となっている。ヴァイオリン属の最低音域楽器であるコントラバス(調弦はE-A-D-G)のE線がなく、G線の4度上のC線がある。そのため、オーケストラ曲の編曲などを行う場合、コントラバスのパートをマンドローネにそのまま移すことはできない。コントラバスを入れない場合は、1オクターブ上げるなどして演奏されることが多い。マンドリンオーケストラでの役割はマンドロンチェロの低音域を同じ撥弦楽器で補強する意味が強い。

《低調》マンドローネは《高調》マンドローネと区別してマンドバス(バスマンドリン、マンドリンベース)と呼ばれる場合がある。

 高調マンドローネの楽器のサイズは全長136cm、弦長80cm。ヴィオロンチェロの弦長68.6cmと比較して17%程長い。楽器の形態はフラットバックとラウンドバックがある。また、テールピース(エンドピン)の有無による違いもある。

 

マンドバス

 マンドバスはGIBSON社(アメリカ)によって開発されたコントラバスと同音域の楽器であり、いわゆるAタイプのフラットマンドリン形状の楽器。、コントラバスと調弦を同じにする単弦4弦である。エンドピン(テールピース)をもっている。

 

 アメリカでは1800年終盤から1900年初旬にかけてマンドリンオーケストラの繁栄期があった。マンドリンは国民的楽器として広まり全国に多くのマンドリンオーケストラが出来た。その時低音を受け持たせるためGIBSONが1912年に導入されたAタイプのマンドリンを改良して作ったものである。しかし、高調マンドローネは作られなかった。マンドバスは基本的には楽器を立て、立って演奏することが多かったようである。