マンドリン合奏 最近(2014年前後)の動き

 マンドリンなど撥弦楽器を使った音楽は、日本ではマンドリンアンサンブル(マンドリンオーケストラ)が多いが、それ以外にもフラットマンドリンを使ったアメリカのブルーグラスやブラジルのバンドリンを使ったショーロ音楽などもある。同じ撥弦楽器であるロシア民俗楽器のドムラやバラライカの合奏もあり、ジプシーマンドリンやジャズマンドリンの演奏も興味深いが、日本で聞かれるのは小編成の演奏であり、日本のマンドリンアンサンブルではそういった曲を取り上げることも少ない。ロシアのバラライカ合奏、米国のマンドリン合奏、ブラジルのバンドリン合奏にも日本のマンドリンアンサンブルと似た規模の合奏があるが、日本ではあまり知られていない。

 社会人中心の日本のマンドリン合奏

 日本の社会人団体では50名以上のところもあり、鈴木静一の特集で演奏者を募り150名ほどの大合奏が2011年から何度か行われている。しかしながら学生のマンドリン合奏は衰退の傾向で、多くの人員を抱えているところは少ない。
 団塊の世代が企業の第一線を退く2000年ごろから社会人の演奏団体が増えているが、若年層は減っていて現状のようにアマチュアの高齢者だけでは今後の日本のマンドリンアンサンブル・オーケストラを発展させることは困難になる。吹奏楽やギター合奏が若年層を取り込んで活発になっているが、マンドリンアンサンブル・オーケストラも同様に発展して欲しいと思う。

 

マンドリン音楽の著書と作曲

 管弦楽法ではウォルター・ピストンやベルリオーズの著書が世界的に知られているが、マンドリン音楽に関して適当な著作は見あたらない。一般的な作曲家にとってマンドリンアンサンブルは未開の荒野といえる。幸いメトロポリタン・マンドリン・オーケストラやコンコルディアなどがマンドリンオーケストラの曲を委嘱するなどにより、現代作曲家による作品発表が少しずつ増えている。

 

 海外ではイスラエルのマンドリン奏者Avi Avitalはそれまでの曲では自分の技術や音楽性を高められずに悩んでいたが、ギターにおいてはゼコビア向けに新たな作曲が行われた事によって、それまでスペインの民族楽器であったギターの地位が上がったことを知り、「マンドリンでのゼコビアになる」として積極的に活動している。また、彼に向けてマンドリンの新たな可能性を高める曲を何人かの作曲家が進めている。合奏ではなく独奏楽器としての方向性だが、今後合奏にも良い影響が出てくると、期待したい。