マンドリン族の調弦

 マンドリンやマンドラテノーレの代表的な形態はラウンド(ボール)バック型と呼ばれるイチジクを半分に切ったような形の膨らんだ木製の胴を持つもので、ナポリ型といわれる。日本のマンドリンオーケストラではこのナポリ型が用いられているが、マンドリンの仲間としてはフラットバックのポルトガル型(フラットマンドリン)、ブルーグラスで使われる小型バンジョー型などがある。マンドリンはヴァイオリンと同じ調弦のG、D、A、Eに調弦された金属製の複弦を4 対8本持つ撥弦楽器である。演奏には鼈甲やプラスチック製のピックを用いる。

調弦

マンドリン族の楽器としてはクワルティノ、マンドリン、マンドラコントラルト、マンドラ・テノーレ、リュートモデルノ、マンドロンチェロ、マンドローネなどがある。これらの調弦は左記のようになっている。
マンドローネと、ギター、コントラバスの3楽器での実音はいずれもオクターブ下となる。なお、マンドローネで高調マンドローネと呼ばれる楽器の場合は実音(オクターブ下)で記されることもある。


 クワルティノ(C G D A) マンドラコントアルト(C G D A)マンドリュートまたはリュートモデルノ(C G D A E)といった楽器は一時的に使われた時期があったが、現在では一般的ではない。マネンテの作品にクワルティノが使われているものがある。マネンテは吹奏楽の作曲家でもあり吹奏楽からの編曲も多い。これはフルートの代用と考えられる。シルベストリーの作品には音域拡大のためクワルティノを使った作品がある。

 現代のマンドリンオーケストラではヴィオラと同じ調弦のマンドラコントラルトは米国では歴史的に多くの団体が利用し、ヨーロッパでも利用している団体があるが、日本では一般的に利用されていない。管弦楽の編曲の場合や作曲に当たってマンドラ(マンドラ・テノーレ)の扱いはこの音程や調弦の違い、運動性などを考慮する必要がある。
 レギュラーオーケストラのコントラバスでは低音を強化し、低いCまで出る5弦のコントラバスまたはE線を延長できる装置を持つコントラバスもある。

 

スコルダトゥーラ(変則チューニング)

 調弦を変えることはギターではよく行われるが、マンドリンでも可能であり、ソロやデュエットでは調弦を変えた曲もある。ただしマンドリンオーケストラ・アンサンブルの演奏会での一部の曲の調弦を変えることは不可能といえる。
参照楽譜はデュエットでのスコルダトゥーラ
トリオ奏法の例(オデル教則本より)

柳田隆介の”マンドリン合奏の為の二章”ではギターの6弦をDに下げている。