「レ・ミゼラブル」Les Miserables

Claude-Michel Schӧnberg 作曲

ヴィクトル・ユゴーの小説を原作として1980年代にロンドンで上演され、以後ブロードウェイを含む世界各地でロングランされていた同名のミュージカル作品の映画化である。
 2012年12月7日ロンドンプレミアで公開。音楽はクロード・ミシェル・シェーンベルクによる。
 
【ストーリー】
 一切れのパンを盗んだために、19年間も投獄されていたジャン=バルジャンが、ミリエル司教の暖かい心にふれ、神の心に沿う人間として生きた波瀾の一生を描いたもの。子供向けに福音館古典童話シリーズや少年少女世界文学館、青い鳥文庫 などから「ああ無情」の題名で出版されている。子供の頃に読んだ人も多いのではないか。 
 
ミュージカル映画ではスタジオで録音した曲を撮影現場で再生しながら役者が演じるのが一般的だが、この映画では撮影の場で実際に歌い、その後にオーケストラの伴奏を付けている。また、ファンティーヌが長い髪を切り、短髪になるシーンがあるが、ファンティーヌ役のアン・ハサウェイは自分の髪を切って演じるなど、リアリティーのある映画となっている。
 
2012年11月23日、ニューヨークのリンカーン・センターで初めてスクリーニングが行われた際には観衆からスタンディングオベーションを受けている。日本での上映でも思わず拍手をする観客がみられた。
  
①「夢やぶれて」(I dreamed a dream)

ファンテーヌが娘のコゼットの養育費のためにきれいな髪の毛や前歯まで売り、最後は娼婦にまで落ちてしまった身を嘆いて歌う。静かな出だしから次第に高揚して最後は「地獄に落ちた」と叫んで終わる。スーザンボイルが歌って広く知られるようになった。

 

②「幼いコゼット」(Castle on Cloud)

テナルデイェの家で虐げられているコゼットが自分の身の上を悲しんで「雲の上にはお城があるはず」と、一人で歌う。

 

③「宿屋の主の歌」(Master of the House)

家の主のテナルディエの歌。ちょっととぼけた男で、この曲もほろ酔い気分。

 

④「ON MY OWN」

小さいときは可愛がられていたのに大人になってからは報われないエボニーヌ。心は離れていてもマリウスを思い「私無しで、彼の世界は回っている」と歌う、ひたむきな愛の歌。

 

⑤「民衆の歌」(Do you hear the people sing?)

「レ・ミゼラブル」のテーマ曲「戦う者の歌が聞こえるか?列に参加しよう。砦の向こうには明日がある」と歌う元気な曲。