第1マンドリンと第2マンドリン

 マンドリンアンサンブル・オーケストラにおいて第1マンドリンと第2マンドリンの技術的困難さはほとんど変わらない。実際、第2マンドリンは第1マンドリンとユニゾンかオクターブで重複することが多い。また第1マンドリンと和弦をとる、二次的な旋律を受け持つ、第一マンドリンの代わりをする、第一マンドリンと共同で、または単独で伴奏音形を奏でることなど、多くの役割をもっている。またマンドリンとマンドラは音域がオクターブ違うことから和弦のために低音部分を弾くことも多い。そのように第2マンドリンは第1マンドリンより性質の異なる幅広い演奏を受け持っている。第一マンドリンとマンドラの間の和弦を充填するためにdivisiで奏されることも多い。
 多くの学生団体やマンドリンアンサンブル・オーケストラではアマチュア主体の演奏団体であることと演奏者の技倆に差の大きいことから第2マンドリンに比較的技倆の低いメンバーを配置する事が多い、またマンドリン奏者が新たに団体に入る場合「2ndの後ろでいい」などと遠慮して言う人がいるが、これは2ndの役割を認識していないといえるだろう。第1マンドリン、第2マンドリンはそれぞれのパートの性質に応じて人選すべきである。

マネンテの「イタリア」2ndMnが主メロで1stMnは対位法的用法

同じく「イタリア」から
2ndMnはマンドラと平行した和声のメロディーから1stMnとマンドラの中間和声へ移行

重音

 楽譜に重音が書かれている場合に重音奏法で奏するかdivisiするか指示されていないことも多い。綺麗な音を望む場合はdivisiで、ボリュームの必要な場合は重音奏法で奏する方が良い。
 マンドリン族の楽器は通常指板が平らに作られているのでヴァイオリン等に比較して重音が奏しやすい。音量を増やすためにも重音がよく使われる。フラットマンドリン用にはコード表が作られている。

Martinoの「月ありき」

アマデイの英雄行進曲「イタリア」

ブラッコ「マンドリンの群れ」